クラウドAIとローカルLLMの両方を、自社で実運用している会社が書いています

ローカルLLM法人導入支援 「入れるべきか」から一緒に決める。3年費用試算と法令対応表を公開しています。

ローカルLLM法人導入支援は、社内の情報を外部のAIサービスに出さずに生成AIを使いたい法人に対して、「そもそもローカルLLMが必要か」の判断から、モデル・実行環境の選定、検証、社内での定着までを支援するサービスです。

  • 公開されている価格だけで組んだ3年費用試算表を掲載しています。ハードウェアの表示価格と電気代で、Mac mini(M4)相当の構成なら3年で約142,200円という試算です。
  • 「ローカルが常に安い」とは言いません。軽量クラスのクラウドAPIと比べると、機材代と電気代の試算では逆転までに約164か月(13年超)かかるケースもあります。
  • 個人情報保護委員会・AI事業者ガイドライン・IPAが法人に求めていることを、出典つきの1枚の表にまとめています。
  • MGKはクラウドAI(Claude)の法人導入支援を正式サービスとして提供しながら、自社でもローカルLLMを実運用しています。業務の内容と運用条件を確認し、両者を比較します。
  • 初回相談は無料(オンラインで全国対応・所要60分)。「まだ要らない」という結論も、そのままお伝えします。

公開日: 2026年8月23日(JST)/最終更新: 2026年9月10日(JST)

ローカルLLMの検討でつまずきやすい4つの状況

ローカルLLMの検討は、たいてい「AIを使いたい」ではなく「使いたいのに出せないデータがある」という状況から始まります。

生成AIを業務で使う会社は着実に増えています。矢野経済研究所が国内民間企業500社を対象(回答496社)に行った調査では、生成AIを「全社的に活用している」11.3%と「一部の部署で活用している」32.1%を合わせて43.4%が活用中で、前年から17.6ポイント増えました(2025年12月19日公表・2025年6月末〜9月初の調査)。 一方で、情報漏えい対策としてどの情報を入れてよいのかの線引きが決まらず、使える業務が広がらない状態で止まっている会社が少なくありません。

出せないデータがある

顧客情報、見積・原価、設計図面、人事情報、未公開の企画。「これは外部のAIに貼れない」という線引きで、AI活用が止まっている。

取引先から確認を求められた

「入力したデータは学習に使われないか」を書面で確認してほしいと言われたが、どこまで確認すればよいか分からない。

費用が読めない

従量課金なので使えば使うほど増える。3年後にいくらになるのか説明できず、稟議が通らない。

ローカルLLMを試したが止まった

ツールを入れてモデルを動かすところまではできたが、業務に載せる段階で品質・速度・運用の担い手が決まらず放置になった。

IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」では、組織向けの脅威として「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初選出で3位に入りました(2026年1月29日公開)。 AIの利用そのものがリスク管理の対象として扱われる段階に入っています。

ローカルLLMとは(30秒で)

ローカルLLMとは、公開されている大規模言語モデルを自社のパソコンやサーバー上で動かし、入力した内容を外部に送らずに使う方法です。

クラウドのAIサービスは、入力した文章を提供事業者のサーバーに送って処理します。ローカルLLMは、モデルの「重み」と呼ばれるファイルを自社の機材にダウンロードして、その中だけで処理を完結させます。実行には OllamaLM Studio といった実行環境ソフトを使うのが一般的です。

使えるモデルは「オープンウェイト」として公開されているものです。たとえば Google の Gemma 3(12Bモデルの Ollama 配布サイズは8.1GB、コンテキスト128Kトークン、テキストと画像を入力できるマルチモーダル)、OpenAI の gpt-oss(20b は提供元が「16GBのメモリで動作する」と明記)などがあります。

設置場所の呼び方も整理しておきます。社内のサーバー室やデータセンターに自社の機材を置いて動かす形はオンプレミスと呼ばれ、ローカルLLMはその一形態です。手元のパソコン1台で動かす小さな構成から、社内サーバーで全社に提供する構成まで、規模には幅があります。社内文書を検索して回答の根拠にする仕組み(RAG)を組み合わせるかどうかも、構成を決める段階で判断します。

用語の整理: 本サイトでは、テキストを扱う言語モデルを「ローカルLLM」、動画を生成するモデルを「ローカル動画生成モデル」と書き分けています。両者はライセンスも必要な機材も異なるため、同じ枠で語らないほうが判断を誤りません。

クラウドAIとローカルLLMの中立比較

費用、データの扱い、モデルの更新、運用担当の有無を比べて選びます。業務によってクラウドAIとローカルLLMを使い分ける方法もあります。

MGKは、クラウドAI(Claude)の法人導入支援を正式なサービスとして提供しています。同時に、自社の業務では OllamaLM Studio を使って Gemma 3 12B を実運用し、これまでクラウドAIで行っていた業務の一部をローカルLLMへ置き換えました。また、クラウド型の画像・動画生成サービスで行っていた作業を、ローカル動画生成モデル MiniMax H3 による自社環境での生成に置き換えています。これらの運用経験をもとに、クラウドの継続利用も含めて検討します。

クラウドAIとローカルLLMの比較(2026年8月時点で各社が公開している情報に基づく)
観点クラウドAI(API・シート契約)ローカルLLM
初期費用 ほぼ不要。すぐ始められる。 ハードウェアの購入が必要。費用の大半がここに集中する。
費用の増え方 使った分だけ毎月積み上がる(従量課金)。席数課金なら人数に比例する。 機材代に加え、電気代や更新・保守・運用の費用がかかる。ローカル処理分のAPI従量課金は発生しない。
3年間の単価の安定性 変動する。Gemini 3.x Flash 系は2027年1月1日から単価が2倍になると公式に予告されている一方、Claude Sonnet 5 は予定されていた値上げが取りやめになり $2/$10 が標準価格になった。3年分の予算を固定できない。 ハードウェア価格は購入時点で確定する。電力単価の変動は受ける。
請求額の予測しやすさ モデル世代の交代で課金トークン数が変わる。Anthropicは、Claude 4.7以降のモデルは新しいトークナイザを使い、同じ文章で約30%多くトークンが出ると公表している。使い方を変えていなくても請求が増えることがある。 使用量と費用が連動しないため、月額の変動要因が少ない。
データの置き場所 提供事業者のサーバーで処理される。OpenAIは、地域内処理(データレジデンシー)のエンドポイントについて対象モデルで10%の上乗せ課金になると明記している。置き場所を選ぶと単価が上がる。 自社の機材の中で処理が完結する構成を取れる。置き場所による追加費用は発生しない。
入力データの学習利用 プランによって扱いが異なる。Google の Gemini API では、無料枠は「製品の改善に利用する: Yes」、有料枠は「No」と公式に区分されている。無料枠を業務で使う場合は要注意。 外部に送信しない構成であれば、提供事業者による学習利用は発生しない。
モデルの更新 提供事業者が更新する。手間はかからないが、旧モデルの提供終了に追随する必要がある。 自社で入れ替える。使い続ける自由がある一方、更新の担い手が社内に必要。
向いている使い方 使用量が読めない、最新モデルの性能を追いたい、社内に運用担当を置けない。 扱うデータの区分が厳しい、使用量が多く安定している、社内に触れる人がいる。

出典: Anthropic 公式価格ページ/OpenAI 公式価格ページ/Google Gemini API 公式価格ページ(いずれも2026年8月23日 JST 取得)。各社の価格・仕様は変更されます。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。

3年費用試算表(公開価格のみで作成)

以下は、機材代と電気代を合計した3年間の費用試算です。導入作業・運用・保守などの費用を含む総保有費用(TCO)ではありません。

この表の条件では、機材代が合計の大半を占めます。以下は試算であり、実際の費用を保証するものではありません。自社の稼働条件・契約単価に置き換えて計算できるよう、計算式も併記しています。

注記: 表に挙げた機種は、日本で入手しやすく公式サイトで価格が公開されている一般的な選択肢の例です。弊社が使用している機材の構成を示すものではありません。Windows/Linux にGPUを搭載する構成でも同じ考え方で計算できます。

表1: ローカル側の3年費用(試算)

ローカルLLM実行環境の3年費用試算(2026年8月時点の公開価格に基づく試算)
項目 Mac mini(M4) Mac mini(M4 Pro) Mac Studio(M4 Max) Mac Studio(M3 Ultra)
ハードウェア(Apple公式サイトの表示価格) 134,800円 から 279,800円 から 419,800円 から 899,800円 から
消費電力(Apple公表値・待機/最大) 4W / 65W 5W / 140W 6W / 145W 9W / 270W
電気代・3年(モードA・試算) 約 7,400円 約 13,239円 約 14,325円 約 25,051円
3年合計(試算・モードA) 約 142,200円 約 293,039円 約 434,125円 約 924,851円
(参考)電気代・3年(モードB・試算) 約 12,090円 約 26,040円 約 26,970円 約 50,220円
(参考)3年合計(試算・モードB) 約 146,890円 約 305,840円 約 446,770円 約 950,020円

稼働条件: モードA=24時間起動し、1日2時間だけ高負荷(年8,760時間のうち730時間を最大電力、8,030時間を待機電力とする)。モードB=平日8時間×250日=年2,000時間をすべて最大電力とする、上振れ寄りの条件。
出典: ハードウェア価格=Apple公式サイト(apple.com/jp)の表示価格。消費電力=Appleサポート「Mac miniの電力消費と熱出力(BTU)に関する情報」「Mac Studio の電力消費と熱出力 (BTU) に関する情報」。電力単価=全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価 31円/kWh(税込・令和4年7月22日改定)。いずれも2026年8月23日 JST 取得。
【重要・条件の食い違いについて】 価格の行は各機種の最小構成の表示価格、消費電力の行はAppleが電力測定に用いた構成の公表値であり、両者は同一の構成ではありません。Appleの測定構成は、Mac mini(M4)=16GBメモリ/256GB SSD、Mac mini(M4 Pro)=64GBメモリ/8TB SSD、Mac Studio(M4 Max)=36GBメモリ/512GB SSD、Mac Studio(M3 Ultra)=512GBメモリ/16TB SSD です。この表は「機種ごとのおおよその桁感」を示すための試算であり、特定の構成の実測値ではありません。

電気代の計算式(自社の値に置き換えてください)

年間の電気代(円)
= { 待機電力(W)× 待機時間(h) + 最大電力(W)× 高負荷時間(h) } ÷ 1,000 × 電力料金の単価(円/kWh)

31円/kWh は、家電製品のカタログ表記に使われる家庭向けの目安単価です(全国家庭電気製品公正取引協議会が、経済産業省 電力・ガス取引監視等委員会「電力取引報」の集計値などに基づいて定めたもの)。事業所は契約種別が異なるため、自社の契約単価に置き換えてご確認ください

また、Apple が公表している「最大」は、演算を集中的に行わせるテストアプリケーションでプロセッサの利用率を最大にしたときの値であり、LLMの推論中に実測した値ではありません。本試算はこれを上限として置いた計算です。

表2: クラウドAPI側の3年費用(試算)

比較のため、月間で入力2,000万トークン・出力200万トークンを使う前提で、各社の公式定価から3年分を計算しました。キャッシュ割引・バッチ割引・無料枠は含みません。

クラウドAPI(従量課金)の3年費用試算(2026年8月時点の公式定価に基づく試算)
モデル(入力/出力・100万トークンあたり) 月額(USD) 3年合計(USD) 3年合計(円換算)
Claude Opus 5($5/$25)$150.00$5,400.00約 869,400円
Claude Sonnet 5($2/$10)$60.00$2,160.00約 347,760円
Claude Haiku 4.5($1/$5)$30.00$1,080.00約 173,880円
gpt-5.6-sol($4/$20)$120.00$4,320.00約 695,520円
gpt-5.6-terra($2/$12)$64.00$2,304.00約 370,944円
gpt-5.6-luna($0.20/$1.20)$6.40$230.40約 37,094円
Gemini 3.1 Pro Preview($2/$12・20万トークン以下)$64.00$2,304.00約 370,944円
Gemini 3.7 Flash($0.75/$3.75 → 2027年1月1日から $1.50/$7.50)$22.50 → $45.00$1,530.00約 246,330円

換算レート: 1米ドル=161円(日本銀行「基準外国為替相場及び裁定外国為替相場」令和8年8月中において適用)。原典はUSD、円は換算値です。為替は変動します。
Gemini 3.7 Flash の計算: 2026年9月開始として、単価が上がる2026年12月31日までの4か月を $22.50、2027年1月1日以降の32か月を $45.00 で計算しています。

表3: クラウド(席数課金)の3年費用(試算)

席数課金プランの3年費用試算(2026年8月時点の公式表記に基づく試算)
プラン1席・3年(USD)1席・3年(円換算)10席・3年(円換算)
Claude Team/Standard seat(年払 $20/席・月)$720約 115,920円約 1,159,200円
Claude Team/Standard seat(月払 $25/席・月)$900約 144,900円約 1,449,000円
Claude Team/Premium seat(年払 $100/席・月)$3,600約 579,600円約 5,796,000円

出典: Anthropic 公式価格ページ(2026年8月23日 JST 取得)。他社のビジネス向け席数課金は、本サイトの調査時点で公式ページを取得できなかったため掲載していません。推測値は載せない方針です。

この表について(試算条件)

  • 本表は試算です。実際の費用を保証するものではありません。2026年8月23日(JST)時点で各社が公開している価格・仕様に基づいています。
  • ハードウェア: Apple公式サイトの表示価格(最小構成の「〜から」の価格)。周辺機器・保守・設置費用は含みません。メモリやストレージを増やした場合の価格は、公式サイトから機械的に取得できなかったため掲載していません。
  • ソフトウェア: 本試算には計上していません。モデルの重みはオープンウェイトとして公開されており、各ライセンスの条件の範囲で利用できます。実行環境ソフトの利用条件(商用利用の可否を含む)は、各ソフトの公式サイトでご確認ください。
  • 含まれていないもの: 導入・設計・運用の人件費、ネットワーク・セキュリティ機器、バックアップ、保守、社内教育。実務ではここが最大の費目になることがあります。
  • 各社の価格・仕様は変更されます。最新の情報は各社の公式サイトでご確認ください。

損益分岐点の考え方と計算式

機材代と電気代だけをクラウドAPI料金と比べる場合、月間の利用量から費用が逆転する時期を概算できます。導入・運用の人件費は、別途加えて比較してください。

損益分岐までの月数
= ハードウェア価格 ÷(クラウドAPIの月額 - ローカルの月あたり電気代)

試算例

前掲の条件(1米ドル=161円/31円/kWh/モードA)で計算すると、次のようになります。

損益分岐までの月数の試算(2026年8月時点の公開価格に基づく試算)
ローカル側比較対象(クラウドAPI・月額)逆転までの月数(試算)
Mac mini(M4)134,800円
月あたり電気代 約206円
Claude Sonnet 5(月 $60=約 9,660円) 約 14.3か月で逆転
Mac mini(M4)134,800円
月あたり電気代 約206円
gpt-5.6-luna(月 $6.40=約 1,030円) 約 164か月(13年超)
Mac Studio(M4 Max)419,800円
月あたり電気代 約398円
Claude Opus 5(月 $150=約 24,150円) 約 17.7か月で逆転

前提: 月間で入力2,000万トークン・出力200万トークン。キャッシュ・バッチ割引なし。人件費は含みません。

試算を使うときの注意点

  • 「ローカルが常に安い」は誤りです。軽量クラスのモデルで足りる業務・利用頻度が低い業務なら、クラウドのほうが安く済みます。上の試算では13年超かかるケースがありました。
  • クラウド側は3年の途中で単価が変わります。Gemini 3.x Flash 系は2027年1月1日から公式に単価が2倍になると予告され、一方で Claude Sonnet 5 は予定されていた値上げが取りやめになりました。上がることも下がることもあり、3年の予算を固定できません。
  • 使い方を変えていなくても請求が増えることがあります。Anthropicは、Claude 4.7以降のモデルが新しいトークナイザを使い、同じ文章で約30%多くトークンが出ると公表しています。モデルを新世代に切り替えると、同じ業務量でも課金トークンが増えます。
  • データを国内・地域内で処理したいなら、クラウドは単価が上がります。OpenAIは地域内処理のエンドポイントについて対象モデルで10%の上乗せ課金を明記しています。ローカル実行にはこの追加費用がありません。
  • 人件費を入れると結論が変わることがあります。上の試算に運用の人件費は入っていません。社内に触れる人がいない会社では、機材が安く見えても総額はクラウドを上回ることがあります。ここは相談の場で一緒に見積もります。

法令・ガイドライン対応表

公的機関が法人に求めているのは「AIを使うな」ではなく、「何を入力し、それがどう扱われるかを確認して、説明できるようにすること」です。

ローカルLLMは、この確認と説明の負担を軽くするための設計上の選択肢の一つです。以下は、日本の法人が実際に参照することになる一次資料を1枚にまとめたものです。各文書の要求事項をそのまま示しており、「ローカルなら法令に適合する」といった評価は行っていません。最終的な判断は必ず自社の法務・顧問弁護士等の専門家にご確認ください。

生成AIの法人利用に関わる公的文書と、ローカルLLMを検討する際の論点
文書 発出元・日付 求められていること ローカルLLMを検討する際の論点
生成AIサービスの利用に関する注意喚起等 個人情報保護委員会
2023年6月2日
個人データを含むプロンプトを入力する場合、提供事業者が「当該個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること」。あらかじめ本人の同意なく入力し、応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合、個人情報保護法違反となる可能性があるとされています。また、入力する個人情報は「特定された当該個人情報の利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること」。 外部サービスを使う場合は、この確認・記録・更新の運用が継続的に必要になります。自社内で処理を完結させる構成は、この確認の対象範囲を狭める設計になり得ます。
AI事業者ガイドライン(第1.2版) 総務省・経済産業省
2026年3月31日
AI開発者・AI提供者・AI利用者という主体別に、取り組むべき事項が整理されています。別添(付属資料)ではAI利用者向けの解説(別添5)や、経営層によるAIガバナンスの構築・モニタリングの考え方(別添2)まで示されています。 AI利用者としての社内ルール・体制づくりが求められます。クラウド/ローカルのどちらを選んでも必要な作業であり、ガイドラインがローカルLLMを推奨しているわけではありません。
情報セキュリティ10大脅威 2026 独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
2026年1月29日公開
組織向けの脅威ランキングで「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初選出で3位にランクイン(1位 ランサム攻撃、2位 サプライチェーンや委託先を狙った攻撃)。 AIの利用そのものが、社内のリスク管理・監査の対象になります。どこに何を入力しているかを説明できる状態にしておく必要があります。

出典: 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」(2023年6月2日・別添1)/総務省・経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」および別添(付属資料)(令和8年3月31日)/IPA「情報セキュリティ10大脅威 2026」(2026年1月29日公開)。いずれも2026年8月23日 JST 時点で公開されている内容です。

個人情報保護委員会 注意喚起(2023年6月2日)原文より

「個人情報取扱事業者が、あらかじめ本人の同意を得ることなく生成AI サービスに個人データを含むプロンプトを入力し、当該個人データが当該プロンプトに対する応答結果の出力以外の目的で取り扱われる場合、当該個人情報取扱事業者は個人情報保護法の規定に違反することとなる可能性がある。そのため、このようなプロンプトの入力を行う場合には、当該生成AI サービスを提供する事業者が、当該個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること。」

モデルのライセンスも「法務の確認事項」です

オープンウェイトのモデルは、それぞれ提供条件が異なります。性能の比較より先に、ここを確認しておくと後戻りがありません。

主なオープンウェイトモデルの提供条件(2026年8月時点・各提供元の公式表記に基づく)
モデルライセンス法人が確認すべき点
Gemma 3(Google) Gemma Terms of Use(最終改定 2026年4月1日) Apache 2.0 ではありません。使用制限(Gemma Prohibited Use Policy)の遵守と、再配布時の通知義務があります。売上規模による商用利用の上限条項は見当たりませんでした。
gpt-oss(OpenAI)/Qwen3.8-27B/Gemma 4 Apache 2.0 比較的制約が緩い形式です。ただしモデルによっては別途、利用ポリシーが付く場合があるため、モデルカード本文も確認してください。
Llama 4(Meta) Llama 4 Community License 月間アクティブユーザーが7億を超える場合は別途の商用ライセンスが必要です。加えて「Built with Llama」の表示義務と、派生モデルの名称を「Llama」で始める命名規則があります。外販・SaaS化するなら要注意です。
PLaMo(Preferred Networks) PLaMo Community License 個人および年間売上10億円以下の企業は商用利用が可能とされ、商用利用時は用途の登録が必要です。閾値を超える場合は別途の有償契約になります。
MiniMax H3
(ローカル動画生成モデル。LLMではありません)
MiniMax H3 Community License Agreement(公開日 2026年8月2日・権利者 Nanonoble Pte. Ltd.) 年間売上が2,000万米ドルを超える商用製品・サービスで使う場合は、提供元からの事前の書面による許諾が必要です。また商用利用時はUI上に「MiniMax H3」を明示する義務があります。加えて、EU・英国・韓国・米国は適用地域から除外されており、これらの地域で使う場合は別途の申請が必要です。

出典: 各提供元の公式ライセンス文書・モデルカード(2026年8月23日 JST 取得)。ライセンスは改定されます。適用の可否は必ず最新の原文を確認し、自社の法務にご相談ください。

ローカルLLMが向かないケース

次のいずれかに当てはまる場合、現時点ではクラウドAIを使い続けるほうが合理的です。相談の場でも、そのままお伝えします。

1. 利用量が少ない・不定期

軽量クラスのAPIで足りる業務量なら、試算上は逆転まで13年超かかります。この試算条件では、費用だけを理由に機材を買う利点は小さくなります。

2. 社内に触れる人がいない

モデルの更新、動かなくなったときの復旧、バックアップの担い手が決められない場合、導入後の運用が続けられません。外部委託でまかなう前提なら、その費用まで含めて比較してください。

3. 最新の最上位モデルと同じ品質が要件

クラウド各社の最上位モデルと同じ出力品質を前提に業務を設計している場合、置き換えは推奨しません(弊社の実運用上の判断です)。まずは置き換えられる業務を切り分けるところから始めます。

4. 海外拠点・海外向けサービスで使う

モデルによっては適用地域が限定されています。たとえば MiniMax H3 のコミュニティライセンスは EU・英国・韓国・米国を適用地域から除外しています。国境をまたぐ利用は法務確認が必須です。

5.「すべてローカルで完結」を無条件に期待している

モデルによっては、提供元が推奨する完全なワークフローの一部がホスト型サービスとして提供され、オープンソース公開に含まれていない場合があります(MiniMax H3 の前処理系がその例です)。「ローカル=必ず外部通信ゼロ」ではありません。構成ごとに確認が必要です。

6. 導入そのものが目的になっている

「AIを入れた」という事実が目的の場合、成果が測れず定着しません。どの業務のどの工程を、どれだけ短くするのかを先に決めてからのご相談をおすすめします。

導入の進め方と目安期間

ローカルLLM法人導入支援でMGKが最初にやるのは、構築ではなく「そもそもローカルLLMが必要か」の判定です。ここで不要と分かれば、機材を買わずに済みます。

以下の期間は一般的な目安です。扱うデータの範囲、既存システムとの連携の有無、社内の体制によって変わります。実際の期間は初回相談のうえで個別にお見積もりします。

  1. 現状整理と要否判断目安 1〜2週間

    いま生成AIを何に使っているか、どのデータが「外に出せない」区分か、月あたりの利用量はどれくらいかを洗い出します。前掲の3年費用試算表に自社の数値を入れて、ローカル化する意味があるかを先に判定します。あわせて、データ主権(データを国内・自社環境で完結させたいという要請)やBCPの観点で外せない条件がないかもここで確認します。不要という結論もここで出します。

  2. モデルと実行環境の選定目安 1〜2週間

    業務要件に合うモデルの候補を挙げ、性能だけでなくライセンス条件(商用利用の可否・表示義務・適用地域)まで含めて確認します。実行環境ソフト、必要なハードウェアの構成もここで決めます。

  3. 検証(PoC)目安 2〜4週間

    実際の業務に近いデータと手順で、出力品質・応答速度・同時利用に耐えるかを確認します。「使えるかどうか」を、感想ではなく手元の結果で判断します。

  4. 本番環境の構築と運用設計目安 2〜4週間

    本番の環境を構築し、アクセス範囲、バックアップ、モデル更新の手順、止まったときの連絡と復旧の手順まで決めて文書に残します。

  5. 社内定着の支援継続

    使い方の型(プロンプトの雛形・入力してよい情報の線引き)を整備し、社内向けの説明を行います。ここを飛ばすと、動いているのに誰も使わない状態になります。

1〜4を通した合計の目安は、およそ1.5〜3か月です。

MGKに相談する理由

クラウドAIとローカルLLMの両方を、自社の業務で実際に動かしているからです。相談では、用途ごとに両者を比較します。

両方を実運用しています

クラウドAI(Claude)の法人導入支援を正式サービスとして提供しながら、自社の業務では OllamaLM StudioGemma 3 12B を実運用しています。クラウドAIで行っていた業務の一部は、すでにローカルLLMへ置き換えました。

動画生成もローカルで動かしています

クラウド型の画像・動画生成サービスで行っていた作業を、ローカル動画生成モデル MiniMax H3 による自社環境での生成に置き換えています。言語モデルに加え、動画生成でもローカル環境を業務に使っています。

自社サイトをAIで運用しています

コーポレートサイト(mgkinc.co.jp)そのものを Claude Code で運用し、日本語の指示だけで記事作成・ページ更新・サイト改修を行っています。実例の記事はこちら

Web構築歴25年・自社事業8つ

受託だけでなく、自社で8つの事業と3つのIPを運営しています。自社での運用経験を、導入後の手順づくりにも生かします。

机上の空論を売りません

「作業ではなく、仕事をする」「自分の体で実証してから提供する」が方針です。このページの試算も、公開されている一次情報から計算し、計算式まで公開しています。

初回相談は無料です

オンラインで全国対応、所要60分。前掲の試算表に自社の数値を入れるところまで、その場で一緒にやります。「今回はクラウドのままでよい」という結論もお伝えします。

担当: 山崎 将史(株式会社エム・ジー・ケイ 代表取締役)。Web担当者向けセミナー・社内研修の登壇実績があります。

よくあるご質問

ローカルLLMの導入にはどれくらいの費用がかかりますか?

このページの試算では、機材代と電気代のみを計上しています。公開されている価格だけで3年分を試算すると、Mac mini(M4)の構成で約142,200円、Mac Studio(M4 Max)の構成で約434,125円になります(いずれもハードウェアの表示価格+3年分の電気代・2026年8月時点の試算)。この条件では、電気代は機材代と電気代の合計の数%です。ただしこの試算に導入・設計・運用の人件費、ネットワーク機器、保守、社内教育の費用は含まれていません。

弊社の支援費用は、内容と規模によって変わるため、初回相談(無料・60分)でご要望をうかがったうえでお見積もりします。

クラウドAIとローカルLLM、どちらが安く済みますか?

使う量によって逆転します。常にローカルが安いわけではありません。機材代と電気代のみを比べ、月に入力2,000万トークン・出力200万トークンを使う前提の試算では、Mac mini(M4)はClaude Sonnet 5 クラスのクラウドAPIに対して約14.3か月で逆転しますが、軽量クラスのAPIに対しては約164か月(13年超)かかり、この負荷ならクラウドのほうが安く済みます。損益分岐までの月数は「ハードウェア価格 ÷(クラウドAPIの月額 - ローカルの月あたり電気代)」で概算できます。

ローカルLLMの電気代はどれくらいですか?

24時間つけっぱなしで1日2時間だけ高負荷という条件なら、Mac mini(M4)で3年間に約7,400円という試算になります。Appleが公開している消費電力(待機4W・最大65W)と、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価31円/kWh(税込・令和4年7月22日改定)で計算した値です。この目安単価は家庭向けのため、事業所の契約単価に置き換えてご確認ください。

個人情報を含む業務でも生成AIを使えますか?

個人情報保護委員会は2023年6月2日の注意喚起で、個人データを含むプロンプトを入力する場合、その生成AIサービスを提供する事業者が「当該個人データを機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること」を求めています。外部サービスを使う場合はこの確認と記録が必要になり、ローカル実行はこの確認負荷に対する設計上の解の一つです。ただし「ローカルなら法令に適合する」ということではありません。実際の可否は必ず自社の法務・顧問弁護士にご確認ください。

どのモデルを選べばよいですか。商用利用で注意する点は?

性能よりも先にライセンス条件を確認することをおすすめします。オープンウェイトのモデルは条件がそれぞれ異なり、たとえば Gemma 3 は Apache 2.0 ではなく Gemma Terms of Use(最終改定2026年4月1日)で提供され、Llama 4 は月間アクティブユーザー7億超で別途商用ライセンスが必要なうえ「Built with Llama」の表示義務があります。国産の PLaMo は年商10億円以下の企業なら商用利用でき、用途の登録が必要です。gpt-oss や Qwen3.8-27B、Gemma 4 は Apache 2.0 です。いずれも2026年8月時点の内容で、最終的な適用可否は法務にご確認ください。

どのくらいのスペックのパソコンが必要ですか?

「7Bなら8GB」といった早見表は公式の一次情報が存在しないため、当サイトでは掲載していません。公式に確認できる範囲では、LM Studio の推奨は16GB以上のメモリ(Windowsは加えて専用VRAM 4GB以上)、gpt-oss-20b は提供元が16GBメモリで動作すると明記、Gemma 3 12B の Ollama 配布サイズは8.1GBです。必要なメモリは動かすモデル・量子化・同時利用数で変わるため、実機での確認をおすすめします。

導入までにどれくらいの期間がかかりますか?

一般的な目安として、現状整理と要否判断に1〜2週間、モデルと実行環境の選定に1〜2週間、検証(PoC)に2〜4週間、本番環境の構築と運用設計に2〜4週間、合計でおよそ1.5〜3か月です。扱うデータの範囲、既存システムとの連携の有無、社内の体制によって変わります。

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初回相談は無料です。オンラインで全国対応、所要60分。中小企業から中堅・大企業まで、規模を問わずご相談いただけます。このページの3年費用試算表に御社の数値を入れるところまで、その場で一緒に行います。「今回はクラウドのままでよい」という結論も、そのままお伝えします。

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運営会社

商号
株式会社エム・ジー・ケイ(M.G.K. Inc.)
所在地
〒542-0081 大阪府大阪市中央区南船場三丁目11番10号 心斎橋大陽ビルB1階
代表者
代表取締役 山崎 将史
設立
2017年(平成29年)10月5日
法人番号
7011101081962
D-U-N-S® Number
693580216
電話
050-3636-0223
事業内容
Web関連の制作・デザイン・設計、AI導入支援、自社メディア・自社IPの運営
コーポレートサイト
https://mgkinc.co.jp/
お問い合わせ
https://mgkinc.co.jp/contact/

執筆・監修: 山崎 将史(株式会社エム・ジー・ケイ 代表取締役)
Web構築歴25年。受託だけでなく自社で8つの事業と3つのIPを運営。コーポレートサイト(mgkinc.co.jp)をClaude Codeで運用し、社内業務ではOllama・LM StudioでGemma 3 12Bを実運用しています。Web担当者向けセミナー・社内研修の登壇実績があります。